食物アレルギーは、加熱することで食べられるようになるのでしょうか?

答えは、No です。

5/10 「旬のお天気プラス食材」の中で、「花粉症の人は要注意!の食材」についてお知らせしましたが、中には、アレルゲンとなる食材であっても加熱をすると食べられる場合がある方もいます。この違いについてお伝えします。

確かに、食品によっては、加熱することでアレルギーの症状が出なくなる、もしくは軽減する場合もあります。これは、アレルゲンとなる食品のたんぱく質の違い(加熱に対する抵抗性、アレルギーの起こしやすい構造)によるものです。また、個人の症状の程度にもよります。例えば、卵には、オボアルブミンとオボムコイドいう2つのたんぱく質があり、オボアルブミンは、加熱により活性が失われやすいため、症状が出にくいことがあります。一方、オボムコイドは加熱に強いため、少量であっても症状が出る場合があります。また、牛乳に含まれるたんぱく質の1つであるカゼインは、加熱によっても失活することはありません。

インターネット上には、「加熱すれば食べられる」といった記事も多く見られますが、安易な判断は危険です。加熱しても食べられるかどうかの判断に迷った時は、専門の医療機関で食物経口負荷試験を行い、適切な診断を受けましょう。