甲子園の実況を聞いていると時々耳にする「浜風(はまかぜ)」。阪神甲子園球場に吹く浜からの風のことですが、いったいどんなものでしょうか?

 

▶昼は海から陸へ、夜は陸から海へ

低気圧や高気圧による風が特に強くない時は、一日の中で「海陸風(かいりくふう)」という風の変化をします。昼は陸地側が海より暖かくなることで陸地に上昇気流が発生し、地上レベルでは空気が少なくなる陸地に向かって、海からの風となる「海風」が吹きます。一方で、夜は陸地側の方が冷えることで、陸から海に向かっての風「陸風」が吹くのです。

海(瀬戸内海)からの距離がわずか1㎞ほどの阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)ではこの「海陸風」が一日の風の変化のリズムなのです。

甲子園球場は海から1㎞程度

 

▶甲子園の浜風は昼間の海風

甲子園球場の浜風とは、昼間に海から陸地に向かって吹く「海風」のことで、南西または西南西方向から吹いて、球場レベルではライト側からレフト側に流される風なのです。海と陸の温度差が大きくなる夏の方がこの浜風は強まる傾向があり、春よりも夏の甲子園の方が試合でも影響を受けることが多く、夏の間、ナイターで試合することが多い阪神タイガーズの試合では、浜風の影響を受けることは少ないのです。一番浜風の影響を受けやすいのは、午後の第3試合くらいということで多いのも特徴です。

浜風は試合の行方を左右することもあります。ライト方向に高く上がった打球は、押し戻されたり、レフト方向に高く上がった打球は浜風に乗ってスタンドインすることも。浜風に注目してみるのも、甲子園観戦の新たな楽しみの一つになりますね。

 

※甲子園球場の写真や地図はGoogleより引用