今年(2021年)から気象庁のさくら開花の観測基準が一部変更になりました。

変わった点は、写真のように幹や根の近くから咲いた花の数をカウントしないことを統一の指標に盛り込んだということです。

気象庁の観測指針では以下のように取り決めになっています。

「標本木に5~6輪の花が咲いた日を開花日とする。なお、胴咲き(枝ではなく幹や根から咲く)による開花は、通常の開花とは異なるプロセスによると考えらえることから、5~6輪に含めない。

 

今までは、観測者や気象台によって、胴咲きの花をカウントしたり、しなかったりとまちまちだったこともありましたが、今年からは正式にカウントしないことで統一されたのです。

 

上の写真は札幌管区気象台の胴咲きの花ですが、2021年は4月20日の段階で胴咲きは5輪以上咲いていましたが、枝からの花は咲いていない状態でした。また、その翌日の4月21日になると下の写真のように枝からも咲き始めましたが、基準以下の2輪の開花ということでこの日の開花は先送りになったのです。

枝から数輪咲き始めた札幌管区気象台の標本木 2021/4/21撮影

気象庁でのさくらの開花は、一本の標本木の枝から5・6輪以上咲いた日という基準で発表されますので、気象庁の標本木よりも先に街中でさくらがいくら咲いても、開花の発表はでないのはこのためです。札幌の場合は、標本木に採用されているソメイヨシノよりも、市内に多く植栽されているエゾヤマザクラの方が毎年2日前後は早く咲く傾向があり、気象庁の発表が少し遅く感じるのは樹種の違いによるものもあります。