6月に入り、日差しの力が増してきています。うっかりヒドイ日焼けをして、ヒリヒリと痛くなった経験はありませんか?

かつては日焼けが健康のシンボルとされていた時代もありましたが、日焼けとは紫外線によって皮膚が刺激を受けて起こる火傷(ヤケド)の一種で、肌には不健康なのです。18歳までに人間が障害で浴びる量の半分以上を浴びてしまう場合が多いので、子供のころから紫外線と上手に付き合うことが大切です。

今月のお天気プラス【6・7月号】では、太陽紫外線と上手に付き合うUVケアのポイントを特集します。

紫外線とは!?

~A・B・Cの3種類~

紫外線(UV)は太陽光線の中の一つで、波長の長いほうから、UV‐A、UV‐B、UV‐Cとに分けられます。このうち波長が一番短いUV‐Cは一番人体にはダメージを与える危険な光線ですが、UV‐Cはオゾンに吸収されて、地表には届きません。

図1紫外線は3つの波長

紫外線は眼には見えませんが、日焼けや、しみ・しわ・たるみなどの肌の老化だけでなく、免疫力を低下させたり、皮膚ガンを誘発させたりと、私たちの体や肌に様々な悪影響があります。しかし、これからご紹介する紫外線の正しい知識を持って行動すれば、決して恐ろしいものではありません。

▶UV‐B(紫外線B波)
~皮膚や眼に有害!日焼けの主な原因~

UV‐Bは大部分はオゾンで吸収されるのですが、一部はオゾンを通過して、地表に届きます。日焼けの主な原因であり、短時間で皮膚に炎症(サンバーン)を起こさせ、そのあと数日後にメラニン色素を増加させ皮膚に色素沈着を起こさせる(サンタン)作用があります。

また、しみやしわなど肌の老化を促進し、長年多量に浴び続けることで皮膚ガンの誘発にもつながります。別名「レジャー紫外線」とも呼ばれています。

▶UV‐A(紫外線A波)
~しわやたるみなど肌老化の主な原因~

UV‐Bほど強いエネルギーはありませんが、真皮深くまで進入しコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、しわやたるみなど肌の老化の主な原因になります。

また、大部分が窓ガラスや雲を透過して、日常生活の中で除々に影響が蓄積します。別名「生活紫外線」と呼ばれています。

 

 

紫外線が最も強いのは?

▶1年のピーク:7月

紫外線の年間の強さ

 

紫外線は太陽が高い所から照り付ける時期に最も強くなる傾向がありますが、上空のオゾン濃度は夏の終わりごろに一番薄くなる年変化をします。オゾン濃度が一定の場合は、6月下旬の夏至の頃に最も強くなりますが、オゾン濃度が6月よりも薄くなる7月に一年のピークがやってきます。まさにこれからの時期が一年の中で最もしっかりケアをしなくてはいけないのです。

 

▶1日のピーク:11時半頃

紫外線の日変化 ピークは11時半

 

紫外線は一日の中では、太陽高度が一番高くなる南中時刻にピークがきます。北海道では11時半頃が南中時刻なので、紫外線も11時半頃に1日の最大値となります。

 

▶正午が一番じゃないワケ

南中時刻が11時半頃である理由は、日本の標準時子午線が東経135度にあるためです。札幌は東経141度と日本標準時の兵庫県明石市よりも東に位置するため、兵庫よりも30分ほど早く太陽が一番高い位置になります。一方で、沖縄の那覇では明石よりも西に位置しているため、12時30分頃に遅れて南中時刻を迎えます。

図2南中時刻の差このようなことから、北海道ではお昼前に紫外線の強さのピークが来ますが、沖縄ではお昼過ぎに一日の紫外線の強さのピークが来ることになります。日本国内でも1時間くらい差があるのです。

 

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