4世紀ごろ、中国から日本に伝わった「酢」。糖分を含む原料から酵母菌でアルコールを創り、そのアルコールを酢酸菌により発酵させて作られています。粕酢や米酢などの穀物酢やりんごやぶどうから作られた果実酢等、様々なタイプがありますが、最近は、味をひきたてる発酵技術が進化し、従来からの果実酢に加え、レモンや梅、いちご、かんきつ類等、いろいろな果物で作った「飲む酢」が人気です。
「飲む酢」を始めとした、酢の活用方法も、様々です。希釈して飲むのが一般的ですが、ウイスキーやソーダで割っても美味しくいただけます。また、ヨーグルトやドレッシングに混ぜたり、カルパッチョにかけたり、ゼリーの材料にも向いているものもあります。
酢のさわやかな酸味は、味覚と嗅覚を刺激し、脳の摂食中枢を刺激するので胃液の分泌が増え、食欲を増進させる効果があり、また、酢に特徴的な成分である酢酸は、疲労のサインである血中の乳酸濃度を低下させる働きがあるので、まさに夏にぴったりの調味料といえそうです。その他、塩見を強く感じさせる働きがあるため、減塩に一役買いますし、血管を拡張する効果もあるので、血流を良くし、血圧降下も期待されています。
また、カルシウムが多い食材(貝殻、骨の付いた肉)に酢を加えて調理すると、カルシウムが煮汁に溶け出し、より多くのカルシウムを摂ることができます。
このように、万能と思える「酢」ですが、果汁や果実が加わった「飲む酢」の中には、甘味を加えたタイプも多くあります。体に良さそうなイメージから、ついついたくさん飲んでしまうことがないよう、気をつけましょう。
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