北海道では、他の都府県に比べて、新型コロナウィルスの感染が急速に拡大していますが、その理由は冬に人が集まるイベントが多いことに加えて、住宅の気密性が高く、寒さで換気をあまりしないことが挙げられています。
また、空気の乾燥による影響もあるとみられています。きょうのお天気健康ニュースでは、北海道の空気のカラカラ度合いについて、注目します!
北海道の空気はカラカラ
月別の平均湿度の平年のデータを札幌と東京で比べてみると、東京は12月~2月にかけて50%くらいまで下がるのに対し、札幌は12月~3月に平均湿度が65%~70%あって、一見すると湿度はそれほど低くないようです。
ただし、元々空気には、気温が低いほど含むことができる水分量が少なくなるという性質があります。
気温が低い北海道では、湿度だけでは空気の乾燥状態を判断できません。下のグラフは、月別の空気中の水分量のデータを札幌と東京で比較したものです。
これをみると、
湿度が低い東京よりも、札幌の方が一年を通して、空気中に含まれる水分量は非常に少ないことがわかります。
札幌の1月・2月の水分量は、一番多い8月の2割未満と、この時期の北海道の空気はカラカラの状態なのです。
『低温』かつ『乾燥』した冬の北海道の気候がインフルエンザの流行には非常に適しているため、北海道のインフルエンザ様疾患患者数は、毎年全国の10%~30%にも上るというデータ(北海道立衛生研究所より)もあります。
対策の第一歩は室内の加湿から
さらに要注意なのは、室内の暖房による乾燥です。気温0度、湿度50%の外の空気を、室内の暖房により暖めると計算上は湿度が14%まで低下します。実際には生活から出る水分量などが加わるため、10%台まで湿度が下がるケースはまれですが、暖房をした北海道の室内は、強い乾燥状態になっているケースが多いのです。
空気が乾燥すると、喉の粘膜のカラダを守る働きも弱まります。室内の加湿も新型コロナウィルスやインフルエンザ対策につながりそうです。
部屋の湿度を保つ方法は、
・加湿器を使う
・洗濯物の部屋干し(追加で濡れたタオルなどを干す)
・水を入れたコップや洗面器などを置く
・観葉植物を置いて、水やりをする
などがありますが、お天気+プラスの一番のオススメは、「鍋物など蒸気が室内に出る料理で食卓を囲む」ことです。栄養たっぷりの鍋料理で美味しく体も温まりますし、室内の湿度を測定すると、短時間で湿度が10%くらい上昇する効果が期待できます!