「ラニーニャ」という言葉、ニュースなどで聞いたことあるけど、
何だかよくわからないという方が多いのではないでしょうか?

 

今回の教えてプラスのコーナーでは、ラニーニャ現象がどういうものか、

そして、ラニーニャが発生中のこの冬の天気の見通しがどのようになるかをご紹介します。

 

ラニーニャ現象とは!?

「ラニーニャ現象」とは、南米ペルー沖の太平洋東部の海水温が平年に比べて一定期間以上低い状態が続くことです。

一方、「エルニーニョ現象」ペルー沖の海水温が平年に比べて高い状態が続く現象のことです。

ラニーニャもエルニーニョのどちらも、遠くの海域で起こる現象ですが、地球規模で大気の流れに変化を及ぼし、異常気象の原因になることがあります。

ちなみに、ペルーの公用語であるスペイン語で男の子のことを「エル・ニーニョ」女の子のことを「ラ・ニーニャ」と呼ぶことが語源となっています。

ラニーニャは遠くの海の気温の変化ですが、大気の流れに変化が起こって、日本でも極端な気象現象が起きることが多いです。
2020年夏の終わりからペルー沖の海水温が下がり、現在「ラニーニャ現象」が発生していて、冬にかけて続く可能性が高くなっています。

 

日本は寒い冬になる!?

ラニーニャ現象が冬に発生していると、どのような大気の流れになり、日本にどう影響するかは簡略図のようになります。

①南米ペルー沖の海面水温が平年より低い状態が継続すると、

②赤道付近に吹く東よりの貿易風がいつもの年よりも強くなります。これにより、

③熱帯域で積乱雲が活発に発生するエリアがいつもの年よりも西へ移動し、

④上空の偏西風の蛇行が平年に比べて、日本付近で南に大きくカーブするようになります。

⑤シベリア高気圧の勢力が、西日本で寒気の南下することになり、結果として、日本は西日本を中心に寒い冬になることが多くなるのです。

最近10年でラニーニャ現象が発生したのは2010年~11年、2017年~18年の2回。この2回とも、山陰地方の鳥取・島根や北陸地方の福井などでは記録的な豪雪や低温に見舞われました。

 

ラニーニャと北海道

過去のラニーニャの冬には北海道は寒い冬にはなりにくく、湿った雪で大雪になるケースが目立っています。冬型の気圧配置は長続きしづらく、低気圧の通り道になりやすい傾向になるためです。

冬の2018年2月5日~6日にかけては、発達した低気圧の影響で、普段雪の少ない新ひだか町静内で観測史上1位の40㎝以上の積雪を記録しました。この影響で、新ひだか町・新冠町でビニールハウスなどが計500棟以上も倒壊し、被害総額は14億6千万円にもなりました。この2018年は、札幌など含めて日本海側は平均的には雪は少なめでしたが、幌加内町では北海道史上1位の積雪3m24㎝を記録したように場所によっては極端な現象が発生するのもラニーニャの冬の特徴です。

この冬は極端な気象現象が北海道、そして日本全国、地球規模のどこかで起きるかもしれません。

大雪でハウス倒壊 2018年2月 新ひだか町静内