1月の後半からインフルエンザが北海道でも本格的に流行してきました。流行のピークを迎えることが多い2月。今月のお天気+プラスでは、北海道に住む私たちの気象特性に合わせたインフルエンザ対策のポイントを特集します。
なぜ冬に多いの?
インフルエンザウィルスは、『低温』かつ『乾燥』の状態で増殖するため、冬に多くなる季節病の一つです。
インフルエンザウィルスは、『低温』で活性化し、『乾燥』により拡散力が強まるため、日本では12月~3月にかけての冬季に毎年流行し、暖かい日が続く暖冬年は、流行が弱まる傾向があります。
一方、オーストラリアやニュージランドなど南半球の国では、冬の6月~8月に流行のピークを迎えることが多くなります。
北海道の空気はカラカラ
月別の平均湿度の平年のデータを札幌と東京で比べてみると、東京は12月~2月にかけて50%くらいまで下がるのに対し、札幌は12月~3月に平均湿度が65%~70%あって、一見すると流行期には湿度はそれほど低くないようです。
ただし、元々空気には、気温が低いほど、含むことができる水分量が少なくなるという性質があります。気温が低い北海道では、湿度だけでは空気の乾燥状態を判断できません。下のグラフは、月別の空気中の水分量のデータを札幌と東京で比較したものです。これをみると、湿度が低い東京よりも、札幌の方が一年を通して、空気中に含まれる水分量は非常に少ないことがわかります。札幌の1月・2月の水分量は、一番多い8月の2割未満と、この時期の北海道の空気はカラカラの状態なのです。
『低温』かつ『乾燥』した冬の北海道の気候がインフルエンザの流行には非常に適しているため、北海道のインフルエンザ様疾患患者数は、毎年全国の10%~30%にも上るというデータ(北海道立衛生研究所より)もあります。
対策の第一歩は室内の加湿から
さらに要注意なのは、室内の暖房による乾燥です。気温0度、湿度50%の外の空気を、室内の暖房により暖めると計算上は湿度が14%まで低下します。実際には生活から出る水分量などが加わるため、10%台まで湿度が下がるケースはまれですが、暖房をした北海道の室内は、強い乾燥状態になっているケースが多いのです。
インフルエンザウィルスは、室内の湿度を50%以上に保てば、激減するというデータもありますし、空気が乾燥すると、喉の粘膜のカラダを守る働きも弱まります。まずは部屋の加湿がインフルエンザ対策の第一歩です。
部屋の湿度を保つ方法は、
・加湿器を使う
・洗濯物の部屋干し(追加で濡れたタオルなどを干す)
・水を入れたコップや洗面器などを置く
・観葉植物を置いて、水やりをする
などがありますが、お天気+プラスの一番のオススメは、「鍋物など蒸気が室内に出る料理で食卓を囲む」ことです。栄養たっぷりの鍋料理で美味しく体も温まりますし、室内の湿度を測定すると、短時間で湿度が10%くらい上昇する効果が期待できます!
この続き(感染を防ぐポイント等)は、あす更新予定です。