きょう(5/31)は全国的にPM2.5の濃度が上昇しています。札幌上空の空は、薄い雲が広がっているのに加えて、PM2.5濃度が上昇した影響もあって、遠くの山々が霞んで見えたようです。
札幌も含めて北海道の日本海側や太平洋側西部といった西半分のエリアでは、PM2.5の濃度が35µg/m3を超えた地点がありました。この35µg/m3という数値を1日の平均値で超えないことが環境基準値(人の健康を保護する上で維持されることが望ま しい基準)として定められています。平均値ではこの数値を下回りますが、きょう夕方を中心に瞬間値では上回る濃度になったため、空が少し霞むような状態になりました。
きょう全国で一番濃度が高かった岡山県倉敷市では午後にPM2.5の濃度が80µg/m3を超えました。1 時間値 で80µg/m3を超えた場合は、都道府県等が注意喚起を行うことを推奨して いる一つの基準ということですが、今回は濃度が濃くなったのが午後からが中心に特に倉敷市での注意情報の発表はありませんでした。
PM2.5とは?
微小粒子状物質(PM2.5)とは、粒の大きさ(径)が2.5μm(マイクロメートル)以下の大気中を浮遊する粒子状物質のなかでも粒径の特に小さい物質のことをいいます。人の髪の毛の断面の大きさの70μmよりもはるかに小さい粒子で、肺の奥深くまで入りやすく、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患への影響のほか、 肺がんのリスクの上昇や循環器系への影響も懸念されています。
PM2.5の成分は?
この大気中の微粒子PM2.5の代表的な成分は、硫黄などのガスや窒素酸化物が化学反応を起こして生成される硫酸や硝酸、ものの燃えカスの黒いススなどの工場や事業場からのばいじん、自動車の排出ガスなどに含まれるものの他、砂漠から舞い上がる砂粒、波しぶきでできる海塩もあります。中国大陸などから運ばれてくるものと、その地域で排出されるものの両方が合わさって観測されますが、近年は中国から運ばれてくる量が増えていることで健康への懸念が広がっています。
あすにかけて念のためご注意を!
あす(6/1)にかけては、きょうと同じくらいの濃度のPM2.5が予測されています。北海道に関しては、あすも道央や道南方面を中心に空が霞む程度の濃度になりそうです。ただ、きょうとは違いあすは雨が予想(午後は降り方が強まったり、雷雨の恐れも)されているため、雨がいつもよりも汚れた成分を含んだ状態で降る可能性があります。喘息など呼吸器系疾患をお持ちの方は、念のため、マスクなどでケアをできる準備をしておくと安心です。
PM2.5の予測情報は、以下のWEBページで確認することができます。