8/6に札幌市内でアメリカンフットボール部の大学生が練習中に倒れ、熱中症とみられる症状で死亡するという事故が起きました。

亡くなった大学生は炎天下の中、午後にダッシュなどの激しいトレーニング中に倒れたということです。このように激しいスポーツは、暑熱環境時には熱中症リスクが高いのですが、どのように注意すべきか?のチェックポイントを今日のお天気健康ニュースでご紹介します。

 

チェックポイント[①気象条件]

気温が高い、湿度が高い、日差しが強い、風が弱い

この4つの条件をすべて満たすような時は、警戒レベルと考えてください。

〈8/6に熱中症の死亡事故のあった日の気象条件〉

最高気温:29.2℃(前日より1.5℃高い)

平均湿度:71%

日照時間:10.6時間(日差したっぷり)

平均風速:2.4メートル(そよ風程度)

この日は、1週間ぶりに29℃台まで上がる厳しい暑さで、湿度もそれなりにあって、風も弱く、汗をたくさんかいても、蒸発しずらい激しいトレーニングをするには厳しい気象条件でした。天気予報をチェックする際は、前日との気温差も気にするようにしてください。また、台風が天気図上にある時は、予想最高気温よりも実際の気温が少し高くなることが多いと覚えておいてください。(台風の熱気により、予想以上に上がるケースが多いため)

チェックポイント[②集団行動]

今回のアメリカンフットボールもそうですが、団体スポーツや集団での練習では、体調がすぐれないときや疲れがたまっている場合でも、知らず知らずに無理をしてしまうことが熱中症のリスクを高める最大の要因になる場合があります。

性格的に「頑張り屋」の方は自分自身でも気を付ける必要がありますし、コーチなど指導者は頑張り屋の人ほど、いつも以上に無理をしていないか?を気にする必要があります。また、練習前には体調が悪い人がいないかを出来れば、団体名の中で声かけをするのではなく、厳しい暑さの日は一人一人に声かけ確認をする位のことが必要です。

集団行動という点では、「開会式」なども熱中症のリスクが高い場面の一つです。

きょう(8/8)も甲子園で高校野球の開会式が行われていますが、炎天下の中での集団行動で、着衣量の多い野球のユニフォームを着て、長時間たっているだけでも、知らず知らずに無理をしている生徒がいてもおかしくありません。日程の都合もあると思いますが、将来的に開会式は、9時台という熱くなり始める時間帯ではなく、前日の夕方以降など涼しい時間帯に開催するように変更することも、スポーツ時の熱中症予防の普及につながるのではと考えています。

開会式に参加した後、当日マウンドで投げるエースピッチャーは、特にかなり厳しい暑熱環境に長時間いることになります。高校球児の皆さんも、水分補給と日陰での休憩をこまめにとって、熱中症にならずに、白熱のプレーを期待しています!