前回は、飲食店が提供する弁当や持ち帰り総菜(以下、テイクアウトと表記します)を利用する際の衛生面における注意点をお伝えしました。

今回は、栄養面での注意点をお伝えします。

店頭のテイクアウトメニューを眺めていると、春雨サラダ、シーザーズサラダ等、多種多様なサラダ類が昔よりも増えたように感じます。食事は、「主食・主菜・副菜」が揃うことで栄養バランスが整うことを考えると、サラダを買うのは賢い選択と思えますが、テイクアウトとなると、注意が必要です。生野菜のような水分が多い食材を使用したメニューは、食中毒リスクが高まるからです。

繰り返しになりますが、再加熱ができないサラダや生もの等のテイクアウトは、出来るだけ控えた方が安心です。

一方、これを忠実に守ると、野菜の摂取が減り、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しがちになります。そして、加熱が必要な料理にはバターやその他の油、調味料が多く使われていることが多いので、食塩、油の摂りすぎ(=カロリーオーバー)につながります。

そこで、テイクアウトを楽しむ時には、野菜の摂取不足や、食塩、油の摂りすぎ(カロリーオーバー)の回避方法も一緒に考えていく必要があります。

まず、ほうれん草や小松菜など緑黄色野菜を使ったおひたし、スープ、味噌汁等は自宅で調理し、野菜不足を補うこと。その際、油や調味料を極力、控えめに使うことも大切です。

また、テイクアウトに野菜をプラスしてリメイクしても良いでしょう。栄養価だけではなく、見た目のボリュームもアップするので、2人前のテイクアウトで3人前のおかずができることもあり、お財布にも優しいですね。

例えば、テイクアウトのマーボー豆腐には、自宅でなすびを蒸し焼きにして加え、マーボーナスに。から揚げは、細かく切って、サラダに散らして、チキンサラダに。

そして連続でテイクアウトばかりを食べ続けないこと。栄養の過不足は、テイクアウト以外の食事(自宅での調理)で調整します。例えば、夜にテイクアウトを利用したら、次の日の朝は、自宅で野菜たっぷり、調味料や油が少ないメニューを自宅で調理します。

いかがですか。野菜摂取が不足し、食塩や油が多くなりがちなテイクアウト。活用次第で、様々な味を経験できたり、家事の“時短”が可能になったりするなど、食事の時間をより一層楽しいものにしてくれます。

なお、参考図書として、食生活ジャーナリストである佐藤達夫先生の“外食もお酒もやめたくない人の「せめてこれだけ」食事術”(株式会社 ウェッジ)を参考にさせていただきました。御本には、若い世代から高齢者、学生から主婦等、乳幼児以外の全ての年代の人たちへ向けた健康的で無理なく続けられる食生活のコツが、科学的根拠と共にわかりやすく書かれています。大好きなケーキやお酒、漬物を諦めたりする必要はありません。特定の食品にこだわる必要もありません。詳しくお知りになりたい方は、是非、御本をご覧ください。

※なお、こちらの本は、健康な人向けに書かれたものです。既にご病気がおありの方は、主治医の指示に従ってください。また、体調がすぐれない方は専門医に相談してください。

 

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