2023年の終わりごろ、駅弁やイベントで販売されていたマフィンなど、食中毒のニュースが続きました。 食中毒の主な原因は、細菌やウイルスですが今回、食中毒が発生したマフィンも駅弁も加熱した食品です。

食中毒は加熱では防げないのでしょうか?

今回は、知っているようで知らない、食中毒を防ぐための基本的な考え方をお伝えします。

食中毒の原因が細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」 食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つが原則となります。(食中毒予防3原則) 2023年、青森県の会社で製造された駅弁から黄色ブドウ球菌やセレウス菌が発生した食中毒で 八戸市保健所は、原因を次のとおり推定しています。(表現を一部改変しています)

1 委託製造した米飯を迅速に冷却していなかった。
2 委託製造した米飯が配送された外箱に殺菌等をしなかった。
3 手指の消毒、手袋交換等のタイミングや方法が適切に行われていなかった。
4 一部の従業員に対して衛生的な取扱いや健康管理が徹底されていなかった。

前段の食中毒予防3原則に照らし合わせると、1は、「増やさない」の不徹底、2~4は「つけない」の不徹底にあてはまることがわかります。 また、セレウス菌は1度発生してしまうと、130度でも死滅しません。東京で起きたマフィンによる食中毒事件については、目黒区保健所の調査で 原因菌が検出されなかったことから、行政処分を行っていません。この店は無添加を売りにしていたことから「保存料を使えばよかったのでは」との 意見も見ましたが、保存料は”食品”添加物ですから、発生してしまった菌を「殺菌」することができません。(もし、できてしまったら、それは人間にとって有害です。) 食中毒は、加熱や保存料だけで防ぐことはできません。 おうちでも「(菌を)つけない・増やさない・やっつける」で、おいしく、安全に食事を楽しみましょう。

 

参考)食中毒予防3原則 農林水産省HP 食中毒予防3原則編:農林水産省:農林水産省 (maff.go.jp)

八戸市保健所HP 231016_houdou.pdf (city.hachinohe.aomori.jp)

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